受け口とは、下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれ、下の前歯が前に突き出ている状態です。受け口は、おもに以下の3種類に分かれます。
歯槽性下顎前突は、前歯の生え方や角度によって受け口のように見える状態です。とくに下顎の前歯が前に大きく傾いているのが特徴です。
機能性下顎前突とは、歯の位置関係や機能面の問題で起こる受け口を指します。とくに下顎の前歯が上顎の前歯を覆い、前方に突き出ているのが特徴です。
機能性下顎前突の場合、上下の歯を噛み合わせる際に、歯の先端同士が接触する状態が見られます。
骨格性下顎前突とは、骨の形や位置の違いが原因で起こる受け口です。下顎の骨が上顎より過剰に大きくなることでバランスが崩れて受け口のように見えます。
一方で、上顎の骨の成長が不足している場合、上顎が小さくなり、下顎が前に突き出ているように見えることもあります。
受け口のおもな原因は、以下のとおりです。
受け口になると、口が閉じにくくなり、口周りの筋肉が低下します。その結果、舌の位置が下がりやすくなり、舌が歯を押して受け口の原因になる場合があります。
指しゃぶりの癖があると、前歯に力がかかり、受け口につながる場合があるでしょう。
口呼吸をし続けると、舌が下がって歯や顎を少しずつ前に押し出すようになり、受け口の原因になります。
遺伝によって、上顎が小さかったり、下顎が大きかったりすると、受け口になりやすくなります。
受け口のおもな矯正治療法は、以下のとおりです。
マルチブラケットと呼ばれる装置を歯の表面に装着し、歯を動かします。幅広い症例に対応できる矯正方法ですが、人によっては、見た目が気になることがあるかもしれません。
おもに抜歯をともなう治療で歯を大きく動かすケースに向いているのが特徴です。
マルチブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着することで歯を動かす治療法です。表側矯正に比べ、マウスピース矯正同様に目立ちません。
一方で、表側矯正より高額になるケースがあります。
薄い透明のマウスピースを装着することで歯を動かす治療法です。食事や歯磨きの際に取り外せるため、食べかすが残りづらくなり、虫歯のリスクが減らせます。
また、見た目にも影響が出にくく、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないのが特徴です。一方で、1日20時間以上の装着が必要であり、装着時間を守れないと期待した効果が得られにくくなります。
前歯のみを動かす際は、部分矯正で費用を抑えることも可能です。
受け口とは、上下の歯が反対になり、下側の歯が上側の歯よりも前に突き出している歯並びです。
一方で、しゃくれとは、横から見た際に下顎が上顎よりも前に突き出ている状態を指します。顎の大きさや位置に問題がある場合は、しゃくれに該当します。
受け口が及ぼすおもな影響は以下のとおりです。
Q
保険適用されますか?
A
一般的な受け口の矯正治療の場合は、保険適用外になります。しかし、骨格的な問題によって受け口になっている場合、外科手術が必要になり、保険適用になる場合があります。
どれくらいの期間で治りますか?
一般的に1〜3年程度の治療期間が必要です。
いくらくらいかかりますか?
一般的な受け口の治療費としては、60〜170万円程度かかります。