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「断られた」はネガティブなことではない

「部分矯正を希望したのに、断られてしまった」
そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか？

断られると、がっかりしたり、不信感を抱いたりするかもしれません。
しかし、実はこれはネガティブなことではありません。
むしろ、その医院が信頼できる証拠という風にも言えます。

断れるのは「知識と経験がある」から

部分矯正は、すべての歯並びに対応できるわけではありません。
八重歯のように抜歯が必要なケース、口ゴボのように横顔全体のバランスを整える必要があるケースでは、部分矯正では物理的に対応できません。

「この歯並びは部分矯正では無理です。全体矯正が必要です」と正直に言えるのは、その医院に知識と経験があるからです。
部分矯正の限界を理解していなければ、このような判断はできません。

何でも「できます」と言う医院の方が危険

反対に、どんな歯並びでも「部分矯正でできますよ」と言う医院には注意が必要です。

本来、全体矯正が必要な症例を無理に部分矯正で進めると、どうなるでしょうか。
例えば、歯を並べるスペースが足りない状態で無理に前歯だけを動かすと、前歯が前方に出てしまうことがあります。
見た目を改善するために始めた矯正で、かえって出っ歯（上顎前突）になってしまう可能性があるのです。

患者様の希望に応えようとする姿勢は大切ですが、できないことを「できる」と言うのは誠実ではありません。

部分矯正専門の医院では判断が難しい

部分矯正専門の医院や、マウスピース矯正専門の医院では、「部分矯正では無理」という判断が難しい場合があります。
全体矯正の経験が少なければ、どこまでが部分矯正で対応できて、どこからが全体矯正が必要なのか、その境界線を見極めることができないからです。

部分矯正を検討する場合は、全体矯正も行っている医院で相談されることをおすすめします。
両方の選択肢を持っている医院だからこそ、正確な判断ができるのです。

断られた後にどうするか？

部分矯正を断られた場合、選択肢は主に2つあります。

①全体矯正で治療

1つ目は、全体矯正で治療を進めることです。
費用や期間はかかりますが、口元の印象を大きく変えることができます。
部分矯正では得られない結果が期待できるため、「やって良かった」という感想をいただくことも多いです。

②治療を見送る

2つ目は、治療を見送ることです。
費用や期間の問題で今すぐ全体矯正に踏み切れない場合は、無理に始める必要はありません。
将来的に状況が変わった時に、改めて検討していただければ大丈夫です。

正直に伝えてくれる医院を選ぶ

矯正治療で後悔しないために大切なのは、正直に診断してくれる医院を選ぶことです。

「部分矯正でできます」と言ってほしい気持ちはわかります。
しかし、できないことを「できる」と言われて始めた治療は、結局うまくいかないことが多いのです。

部分矯正を断られたら、その医院は信頼できる可能性が高い。
そう考えて、改めて治療方法を検討してみてください。